original [永続の記憶] [04] 「―改変黙示録―」


モノローグ

―さて、これは、ある帝国の破滅の…一応、モノローグ―。
ご興味がないのでしたら、このままお帰り下さい。
出口でしたら、ふふ、アナタが一番よくご存じではありませんか。 それとも、少し席を外した方が、アナタもお帰りしやすいでしょうか?





あら、まだ居られたのですか?
モノ好きな方、そんな方は、まぁ、嫌いではないけれども―。
しかし、困りました。 アナタの気配は、あるのだけれど、声が届かないのですね? 私の声は?届いていますか?
でも、ご興味があるから留(とど)まって居られるのですよね? 続けてしまって、大丈夫でしょうか―?

でも、ごめんなさい。
私が語るには、どうしても偏(かたよ)ってしまったお話になってしまうの。 語り手をご用意致しましたので、そちらに全てお任せしても宜しいでしょうか?
え、自分勝手ですって? ふふ、そうね、自分勝手な事、否定は致しません。
では、前触れだけでも宜しいのでしたら、私から少し語らせて下さい。

これは、アナタが今いる場所ではない物語―。
これは、この宇宙の何処かに存在しているのかしていないのか分からない世界の物語―。
これは、科学という技術よりも、魔力という魔術が生きている世界の物語―。

そう、アナタの世界でいう、RPGだとか、ファンタジーだとか、そういう世界でのお話になるのでしょうか?
あら、ふふ、お気づきですか、ここは、そういう世界なのですよ? 今、この時、この特別な力でアナタと私は、繋がっているのです。

大丈夫、アナタはいつでも帰る事が出来ます。 私はまた、他の誰かが訪れるのを、この場所で、この時で、静かに待つだけ―。

私の世界は、アナタのいる世界の半分程しかない、幾分小さな世界の住人です。 その世界も、アナタの世界と同じように戦争というものが存在しているのです。
種族が違ったり、資源を求めて、反発して、アナタの世界でも国同士や種族同士で争っていると思います。
私の世界でも同じです。
私の世界には、アフォルド帝国、リズメルト帝国、ラッテル帝国、カルナトール王国の四国と、国を持たない地域が存在しています。

種族ですね、人間、魔族と…民族…こちらは種類が細かいのですが…存在していて、これらはどうにか共存は、出来ているのだけれど… 魔物は駄目ね、邪心に囚われて話せるモノが少ないし、精霊は例外を除き、私達の世界をただ傍観するだけ―。
それはそれで、上手くいってたのです。

でも…、ある日を境に世界のバランスが崩れてしまった―。
私の世界には、マナという自然界のエネルギーがあって、それを魔法陣で繋いで体内にある魔力で練って魔術を発動させるのだけれど―。
あ、ここで私の『今の』世界の伝説のお話でも致しましょうか。安心なさって、とても短いの―。

『世界のマナがラッテル王の手によって枯渇し、世界の危機が迫りし時、姫巫女がラーマ神を召喚しマナの枯渇から世界を救う―。』

はい、私の『今の』世界は平和そのもので、私も多少の苦難はありましたが幸せを手にしました。 あ…私のお話は、ここで終わりにした方が宜しいですね。
あとは、語り手にお任せして、私は精霊の様に聞き手となったアナタを傍観しております。

「それでは語り手さん、お話を始めましょうか―。」

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『彼女』はそう言い残すと、この暗闇の部屋のような空間で小さく灯ったキャンドルを持ったまま方向を変え、傍の椅子に腰かけた。
こちらの声は、聴こえていないようだ。 語り手の準備が整うまで、自分も近くの椅子に腰を掛け、静かに待つ事にした―。

自分は、他にも別の気配があるような気がした。
さて、ここには一体何人の観客がいるのだろうか―。


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